目次
- はじめに
- 日本の地震危険度調査について
- 東京の地震危険度ランキング上位5地域
- おわりに(示唆点)
1. はじめに:初めての畳部屋での衝撃
私が日本へ渡り、古い木造家屋の畳部屋で生活を始めたばかりの頃の出来事です。ある夜、私は生まれて初めて地震を経験しました。今振り返ってみれば、震度3から4程度のそれほど大きくない規模でしたが、強固だと信じて疑わなかった「自分の足元の地面」が文字通り左右に揺れるという体験は、それまで味わったことのない巨大なカルチャーショックでした。それは単なる自然災害という枠を超え、「日常の中に常に恐怖が潜んでいる」という、全く新しい世界観を私に植え付けたのです。
皆さんもご存知の通り、日本は地震大国です。このように骨の髄まで染み込むような実存的な地震への恐怖があるからこそ、短期的な居住目的だけでなく、中長期的な不動産投資の観点からも、地震リスクに対する備えは絶対的な必須要素となります。大切な命と財産を守るため、慎重なアプローチが極めて重要であることは言うまでもありません。今回は日本のさまざまな地域の中でも、特に首都である東京を中心に、万が一の事態に最も致命的となり得る「地震被害に脆弱な地域」に改めて焦点を当ててみたいと思います。
2. 日本の地震危険度調査について
地震大国である日本は、定期的に地震に関する地域の危険度を調査し、発表しています。本記事では、2013年に発表された「地震に関する地域危険度測定調査(第7回)」の結果をもとにしてご紹介します。この調査は、木造や鉄筋コンクリート造などの建物の構造、建築年数、階数、建物数、建物の用途別の火気および危険物の使用状況、そして道路や公園の維持管理状況を基準に、危険性を測定しています。
この調査の特徴は、いつどこで地震が発生するか分からないという前提に立ち、特定の地震の発生を想定していない点にあります。言うまでもないことですが、どんなに技術が進歩したとしても、地震の正確な発生時期を予測することは非常に困難だからです。その代わり、「地震に関する地域危険度測定調査」では、すべての地域で同一の条件で地震が発生したと仮定し、相対的な危険レベルを測定します。つまり、この調査内容を確認することで、該当地域の地盤や建物の特性などを理解することができるのです。
危険レベルのランキングは、すべての地域の中でどの程度高い順位にあるかを測定する相対的評価手法を採用しています。したがって、ある地域の安全性が向上したとしても、他の地域がさらに安全になれば、その地域の順位は相対的に下がることがあります。
3. 東京の地震危険度ランキング上位5地域
建物倒壊の危険度お呼び火災危険度のランキングを基準に評価された、東京23区で最も危険な上位5地域は下表の通りです。

第1位は荒川区の町屋4丁目、第2位は足立区の千住柳町、第3位は墨田区の京島3丁目、第4位は同じく墨田区の墨田3丁目、そして第5位は足立区の柳原2丁目です。参考までに、「丁目」とは一つのブロック(街区)単位であると理解していただければ差し支えありません。
上位に荒川区、足立区、墨田区が名を連ねています。これらの地域はすべて「沖積低地」に該当します。沖積低地は主に海面下の堆積物で構成されているため、地震発生時に揺れを増幅させる可能性が高いとされています。
第1位の「荒川区町屋4丁目」は、建物倒壊危険度で7位、火災危険度で3位を記録しました。両方において総合的な危険レベルで上位にランクインしたため、全体の危険レベルで1位となりました。第2位の「足立区千住柳町」は、火災危険度レベルで1位を記録しました。これは主に建物の密度が非常に高いことに起因していると考えられます。第3位の「墨田区京島3丁目」は建物倒壊危険度で4位、火災危険度レベルで7位であり、どちらにおいても非常に危険なレベルでした。
これらの地域は、下の地図の右側に赤く示された箇所に該当します。東京の中心部を除き、周辺の地域は相対的に地震被害に対して脆弱であることがわかります。短期的な居住ならまだしも、中長期的な不動産投資を検討するのであれば、このような地図の参照は必須だと思われます。

4. おわりに(示唆点)
東京において危険度が高い地域は、荒川や隅田川沿いの繁華街周辺に集中していることがわかりました。もちろん、この結果は危険度をわかりやすく示すための指標にすぎず、特定の地震を仮定したものではありません。それでも、建物倒壊や火災といった形で現れる地震リスクについては、事前に把握し、最大限の備えをしておく努力が必要です。
たとえば、火災リスクが高い地域であることを既に知っていれば、不動産物件を選ぶ際に、その地域の中でも相対的に建物の密集度が少しでも低い場所を選ぶことで、リスクを回避する手段となり得ます。建物の倒壊に関しても同様に、築年数や、地震に対する厳しい建築基準を満たしているかなどを総合的に考慮しなければなりません。こうした最低限のチェックリストを持って投資に臨むことが、大切な資産を守ることに繋がるでしょう。